外科とプロサッカー選手の渡欧の違い


最近、多くの日本サッカー選手が海外に移籍して、活躍している。
僕もそんな勢いで渡欧した。
しかし現実はそんなに甘くはなかった。

まず、根本的な違いとして、個人のスキルが求められるかどうかである。
サッカーは、個人のスキルで飯が食っていける。むしろそこを買われて移籍している。

外科の世界では、もちろん外科医の技術に差はあるものの、個人差は非常に少ない。ある程度の経験がある外科医になれば、約90%の手術は結果に差が出ない。そこまで外科手術は発達したのである。
また外科手術の細かい結果の差を出す、尺度もないため、個人の技術は表だって出てこないのである。

僕自身、他者に負けない技術や知識はあると自負しているが、そのような状況であるため、一般の外科医の中に埋もれてしまったのが現状であろう。

ヨーロッパは移民が多く、法的な規制が強い。もっと大きな問題は、地元の人が移民を毛嫌いする気持ちの方が大きいと感じる。確かに、その地方の言葉を話せない人に自分の体を切られるのには、抵抗を感じるのが普通だろう。


サッカー選手と外科医とは、当たり前だが全然違うのである。そもそも僕は手術の勉強のために来ているのだが。